効率的かつ快適な生活を追求する人々にとって、全館空調は非常に魅力的なシステムです。
しかし、その導入を検討する際には、掃除やメンテナンスの手間を心配する声も多く聞かれます。
そこで今回は、全館空調の基礎知識と種類、そして掃除は不要なのか解説します。

□全館空調の基礎知識と種類

全館空調とは、家全体の室温を均一に保つための冷暖房システムを指します。
このシステムは、家中の温度差をなくし、快適な住環境を提供するものです。
全館空調には主に三つの種類があり、それぞれに特徴があります。

1: ダクト式の全館空調
ダクト式は、家全体にダクトを通して冷暖房を供給する方法です。
この方式は、全館空調の中でも一般的で、小屋裏に設置された空調室から各部屋にダクトをつなぎ、効率的に冷暖房を行います。
ダクトを利用することで、空気の流れを設計する必要がないため、他の方式と比べて設置が簡単です。

2: 小屋裏冷房と床下暖房による全館空調
この方式では、小屋裏に冷房システム、床下に暖房システムを設置し、夏は小屋裏から冷気を下ろし、冬は床下から暖気を送り出します。
この方式は、冬には足元が暖かくなるため、特に寒冷地での使用に適しています。
ただし、家全体に空気を行き渡らせるために、間取りや設計に工夫が必要です。

3: 高断熱高気密化による全館空調
高断熱高気密の家では、少ない台数のエアコンで家全体の温度を均一に保てます。
そのため、家中の室温を均質に保つという広義の意味であれば、全館空調と呼べるでしょう。
この方式では、特別なダクトや空調室を設置する必要がなく、コストを抑えられます。
また、エアコンが故障した場合でも、他のエアコンで対応できるため、トラブルにも強いシステムと言えます。

□全館空調は掃除不要なのか？

全館空調の掃除について、多くの人が心配するのはダクト内のホコリや汚れです。
しかし、最新の全館空調システムでは、掃除の手間を大幅に軽減する工夫がされています。

1: フィルターシステム
全館空調システムには、各部屋に空気を送る換気扇と空調室に二重のフィルターが設置されています。
このフィルターがホコリや汚れをしっかりとキャッチするため、ダクト内にホコリが侵入することはほとんどないとされています。
そして、フィルターの掃除や交換を定期的に行うことで、ダクト内を清潔に保つことができます。

2: 気流管理
ダクト内にホコリが溜まるのを防ぐために、システムは常に気流を発生させています。
これにより、ホコリがダクト内に蓄積するのを防ぎ、掃除の必要がありません。

ただし、ダクト式全館空調は掃除を前提としない設計になっているため、もしダクト内に汚れが溜まった場合は、大規模な工事が必要となります。
そのため、導入を検討する際には、慎重に判断することが重要です。

□まとめ

全館空調システムは、家全体の室温を均一に保ち、快適な住環境を提供します。
ダクト式、小屋裏冷房と床下暖房、高断熱高気密化の三つの主要な種類があり、それぞれに特徴と利点があります。
また、最新の全館空調システムでは、フィルターシステムや気流管理により、掃除の手間を大幅に軽減しています。
全館空調の導入を検討する際には、これらの情報を参考にして、最適な選択をしてください。